TVアニメ『私を喰べたい、ひとでなし』音楽連載企画「私が聴きたい、うらばなし」第10回:鈴木裕輔 × 高木秀仁 × 末田裕美 × 浜辺恵那

 

現在、放送中のTVアニメ『私を喰べたい、ひとでなし』。その魅力に迫るべく、本作の制作関係者たちによるインタビュー連載企画「私が聴きたい、うらばなし」!第10回は、監督・鈴木裕輔、アニメーションプロデューサー・高木秀仁、プロデューサー・末田裕美、浜辺恵那にアニメーション制作の裏側を語ってもらった。

 

――本作の制作を務めるスタジオリングスさんは、『わたたべ』が初の単独元請作品ですよね。

 

高木 はい。今回のお話はインフィニットの浜辺さんからいただいたのですが、原作を拝読したところ、世界観がとても魅力的な作品だなと思い、単独元請制作に挑戦させていただきました。個人的にも、舞台となる愛媛の空気感と『わたたべ』が持つ怖さを上手く表現できれば、面白いものになるのではないかとも感じて。また、これまで共同で制作していた作品が『私の百合はお仕事です!』や『大室家』と百合作品が続いていたこともあって、スタッフの経験値があった、というのも初の単独元請に踏み切れた一因ですね。

 

――鈴木さんに監督をお願いされたのはどういった理由だったのでしょうか。

 

高木 鈴木監督はこれまで子ども向け作品を手掛けられていたのですが、『わたたべ』にも合うのではないかと直感したんですね。ただ、まだ未知数というところもあったので、弊社ともお付き合いの深い葛谷(直行)さんに総監督として立っていただき、鈴木監督をサポートしてほしいとお願いして。

 

鈴木 僕が現場でのチェックを行なって、葛谷さんにはいわゆるプリプロダクション――脚本やコンテ周りを担当していただきました。

 

高木 鈴木さんはかなり心情面をこだわりながら制作されていましたよね。

 

鈴木 やっぱり、これまでの監督作とは勝手が異なるので(笑)。アクションシーンをハイテンポで進める作品が多かったなかで、今回『わたたべ』を監督することになったので、いつも以上に心情面を丁寧に扱わないといけないなと考えていたんですよ。葛谷さんにもかなり助けていただき、勉強することができました。

 

浜辺 「わたたべハイスクール」と妖怪が前面に出るシーンは特に鈴木監督の強みが出た印象がありました。そこにキャラクターデザインの郁山(想)さんの熱量が乗っかってきて……。

 

高木 郁山さんは、美胡の妖怪姿の設定画をかなりの線の量で仕上げてきたほどに『わたたべ』への熱量が高くて……。妖怪と対峙するシーンは特に鈴木監督と盛り上がって作られていた印象がありました。

 

――一方で、ポニーキャニオンさんとしては、どのような想いで制作幹事を務めることに踏み切られたのでしょうか。

 

末田 苗川(采)先生の絵が素敵なことがあったと思います。マンガとしてとても面白く、世界観に引き込まれる内容でした。そこが、アニメ化へ具体的に動くことができた理由ですね。それと、第4話のEDを電波ソングにする案が出て、かなり驚いたことを覚えています(笑)。

 

高木 あれには自分も驚きました(笑)。第4話はかなりシリアスなエピソードでしたし、そこから一気に可愛い方向へ振り切るなんて! と。画がどうなるのかはかなり土壇場で決まりましたが、苗川先生のイラストとともに可愛い美胡の動きでエンディングアニメーションを構成できて、とても満足のいく内容になりました。

 

浜辺 本当に厳しいスケジュールの中、リングスさんにはご無理を聞いていただいて……。本当にありがとうございました。

 

――高木さんは制作側、末田さんは製作側のプロデューサーですが、それぞれどういった点を意識されていたのかお教えください。

 

高木 雨や波、海といった水の表現を特にこだわって作ることですね。本作は第1話から水にまつわるシーンが多いので、ここをしっかり作らなければ世界観が崩れてしまうなと。そこで色彩設計の水野(多恵子)さんや撮影監督の武原(健二)さんともご相談しつつ、綺麗な画になるよう意識して制作していきました。

 

浜辺 リングスさんは一つ一つの段取りを丁寧に進めてくださって、本当に初単独元請なのか疑うくらいで。こまめなコミュニケーションをさせていただいたからこそ、こうやって素晴らしい映像が出来上がったと思っています。

 

末田 V編で出来上がった映像を見たとき、本当に綺麗で……。とても感動しました! なので、映像については何も言うことがなく。私が意識したポイントは、音楽でどのように世界観を表現するか、ですね。特にYuqiさんが劇伴を歌うことが決まったとき、男性ボーカルが『わたたべ』の世界観に合うのか心配にはなったのですが、音楽チームが全員作品に寄り添った結果、とても溶け込む楽曲になったように感じました。

 

浜辺 ポニーキャニオンさんは海外の宣伝も担当されていて。国内とはまた違った形で『わたたべ』を広げてくださったことに、とても感謝しています。

 

末田 『わたたべ』は百合作品として楽しめる一面もありますが、そこを押し出すと海外ではニッチな層にしか刺さらなくなってしまうんですよね。そこで海外ではダークファンタジーとして打ち出しました。なので、汐莉の半妖姿のビジュアルを作って……。日本の宣伝と比べるとかなり攻めた内容にはなっているんですけど、おかげさまでご好評をいただけました。

 

高木 本作ではさまざまなビジュアルが作られましたが、個人的には最初に公開されたティザービジュアルが印象的です。これも水の表現にかなりこだわって描いたので、気に入っています。

 

浜辺 ティザービジュアルはアニメ化発表時からかなり長い期間使いますしね。方向性を定める一枚だったので、かなり綿密に打ち合わせもさせていただきました。

 

――鈴木監督、高木さん、末田さんが特に印象深いエピソードは何話ですか?

 

鈴木 演出を担当した第1話はやはり印象に残っています。やはりラストの喰べる約束をするシーンはかなり意識して制作したのですが、それだけあって完成映像を観たときにはかなりの手応えを感じて。

 

高木 僕が最初に原作を拝読したとき、一番描きたかったエピソードが第9〜10話だったんですよ。喰べると約束した汐莉には、実はその気がなかったと判明するあのお話は、どうしても描きたくて。

 

末田 私はやっぱり第4話です。実は最初の頃は「わたたべハイスクール」を第4話につけるかまだ決まっていなかったんですよ。美胡の正体が分かった後、「リリィ」が流れる可能性すらありました。その調整の結果、あの奇跡的なバランスになったことがとても印象的です。

 

――本編も残すところあと3話です。制作現場も佳境かと思いますが……。

 

高木 このインタビューを受けている11月現在では、本当にラストスパートです! 最終回では第1話と繋がる演出もありますので、ぜひ第13話を観たらまた『わたたべ』を一から楽しんでいただけると嬉しいです。

 

浜辺 ここまでの10話で、心が移り変わるように小さな変化が積み重なって、気づけば大きな変化となっていた様子を描いてきました。その果てにあるものをぜひ感じ取ってください!

 

末田 12月28日には第11〜13話の上映イベントを行うので、ぜひ大画面でもお楽しみいただければ! 年の瀬ではありますが、劇場の大スクリーンで『わたたべ』をファンの皆さまと一緒に見れることを楽しみにしております!

 

取材・執筆:太田祥暉

 


 

イベント情報

TVアニメ『私を喰べたい、ひとでなし』全話放送記念 上映会

イベントの詳細はこちら:https://wata-tabe.com/news/452/

 

アニメイト先行抽選

抽選受付期間:2025年12月7日(日)0時〜12月14日(日)23:59

受付URL:https://www.animate-onlineshop.jp/pn/pd/3310673/

 

日程

2025年12月28日(日)

第一部:12時30分〜

第二部:15時10分〜

 

会場

ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場

 

登壇

上田麗奈(八百歳比名子役)

石川由依(近江汐莉役)

ファイルーズあい(社美胡役)

 

内容

第11話〜第13話上映、トークショー

 

入場者プレゼント

第一部:第1話〜第7話台本イラストポストカードセット&キャラクタービジュアルクリアファイル

第二部:第8話〜第13話台本イラストポストカードセット&キャラクタービジュアルクリアファイル

※クリアファイルは第一部、第二部共通

 

作品情報

電撃マオウにて大好評連載中!

少女と妖怪の出会いを美しくも切なく描いた原作・苗川 采による「私を喰べたい、ひとでなし」が2025年10月2日よりTVアニメ好評放送中!!

 

—ON AIR—

2025年10月2日より好評放送中!

AT-X:毎週木曜22:30〜

【リピート放送】毎週月曜10:30〜/毎週水曜16:30〜

TOKYO MX:毎週木曜23:30〜

サンテレビ:毎週木曜24:00〜

B S 日テレ:毎週木曜25:00〜

愛媛朝日テレビ:毎週金曜25:50〜

 

—STREAMING—

ABEMA・dアニメストアにて毎週木曜23:30〜地上波同時・最速配信中!

Prime Videoほか その他サイトにて毎週火曜23:30〜配信中!

※詳細は各サイトをご確認ください

※放送・配信日時は予告なく変更となる場合がございます

 

—INTRODUCTION—

「私は君を喰べに来ました。」

突如現れた人魚の少女・汐莉は海辺の街に独り暮らす比名子の手を取り、優しく語りかける。

比名子の持つ血肉は、特別に美味しいという。

それは数多の妖怪を惹きつけるほどに…。

汐莉は、成熟し、最高の状態を迎えるまで比名子を守り”いずれ自分が喰べる”と約束する。

比名子の胸には「このひとなら私の願いを叶えられるかもしれない」という

切なる想いが浮かび—。

 

—CAST—

八百歳比名子:上田麗奈

近江汐莉:石川由依

社 美胡:ファイルーズあい

 

—STAFF—

原作:「私を喰べたい、ひとでなし」苗川 采(KADOKAWA「電撃マオウ」連載)

総監督:葛谷直行

監督:鈴木裕輔

シリーズ構成/脚本:広田光毅

キャラクターデザイン:郁山 想

色彩設計:水野多恵子

美術監督:工藤義隆

撮影監督:武原健二

3DCG:志田じしろ

編集:瀧川三智

音響監督:納谷僚介

音響効果:斎藤みち代

音楽:井内啓二

アニメーションプロデューサー:高木秀仁

プロデュース:インフィニット アニメーション制作:スタジオリングス

 

—MUSIC—

<Streaming & Download>

オープニング主題歌:吉乃「贄-nie-」

作詞・作曲:ユリイ・カノン 

編曲:ユリイ・カノン / Naoki Itai(MUSIC FOR MUSIC)

Streaming & Download :https://lnk.to/yoshino_nie

Music Video:https://youtu.be/Yk6szHbYQl4?si=wjged4zQOR4QQveu

 

エンディング主題歌:八百歳比名子(CV:上田麗奈)「リリィ」

作詞・作曲:北澤ゆうほ 

編曲:佐藤厚仁

Streaming & Download :https://lnk.to/watatabe_hinako

Music Video:https://youtu.be/NUH5CN0G0Lg?si=wmOJ66uaSYRCmd0-

 

第4話エンディング主題歌:社 美胡(CV:ファイルーズあい)「太陽、なってあげよっか?♡」

作詞:安藤紗々 / 苗川 采 

作曲・編曲:神田ジョン

Streaming & Download :https://lnk.to/watatabe_miko

Music Video:https://youtu.be/fqtcbzj8bbc

 

CD

2025年12月24日(水)発売

TVアニメ「私を喰べたい、ひとでなし」オリジナル・サウンドトラック

3,850円(税込) / PCCG-02473

ご予約/ご購入はコチラ:https://lnk.to/pccg-02473

視聴動画・井内啓二セルフライナーノーツはコチラ:https://youtu.be/tbfY7xqYFjo 

 

—COMIC—

「電撃マオウ」にて大好評連載中!

「私を喰べたい、ひとでなし」コミックス第1〜11巻大好評発売中!

カドコミWEB(旧コミックウォーカー)掲載中!

https://comic-walker.com/detail/KC_003258_S?episodeType=first

 

—HP/X—

アニメ公式HP:https://wata-tabe.com

アニメ公式X:https://x.com/wttb_tv/ @wttb_tv

アニメ公式TikTok:https://www.tiktok.com/@wttb_tv

 

©2024 苗川 采/KADOKAWA/わたたべ製作委員会